過払い金の仕組みと請求についてご紹介します
キャッシングを利用するにあたり、金利や利息、返済について気になりませんか?
テレビCMやネット広告などで、「過払い金の無料診断」「払い過ぎたお金を取り戻す」といったような言葉を耳にしたこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、キャッシング過払い金の厳選解析術、請求についての高等テクニックを解説していきます。
1.過払い金とは?
「過払い金」とは、キャッシングの返済において、本来支払うべき利息の額よりも多く支払っていたお金のことです。
それではなぜ、過払い金は発生するのでしょうか?これには、「グレーゾーン金利」というのが影響しています。2010年にグレーゾーン金利が完全撤廃されるまでは、出資法(上限金利29.20%)、利息制限法(上限金利15.00~20.00%)という2つの法律により、上限金利が異なっていました。それに加え、賃金業者としてどちらを適用すべきかも定まっていませんでした。それによって生じる金利の差分が「グレーゾーン金利」です。
しかし2006年には、グレーゾーン金利は認められないとの判決が最高裁判所によって下され、2010年にはグレーゾーン金利は完全撤廃されました。これを機に、上限金利は15.00~20.00%に定められることになりました。
よって、出資法での上限金利と、利息制限法での上限金利の差によって生じた利息が、「過払い金」となります。
2.過払い金が発生する対象者は?
過払い金が発生する対象者は、グレーゾーン金利が撤廃される前、つまり2010年6月17日より前にキャッシングを利用していた方です。しかし、過払い金請求には時効があるため、お金を完済してから10年または5年以内である必要があります。
上記の条件に当てはまる方は、過払い金がないか確認してみるといいでしょう。
3.過払い金の請求方法
過払い金を請求する方法は、自分で請求を行う方法と、専門家に依頼する方法があります。
〈自分で請求する方法〉
1.取引履歴を確認
自分が利用した賃金業者に取引履歴を問い合わせ、自分の借入にはどのくらいの金利が適用されているかを確認します。
2.過払い金の計算
グレーゾーン金利が適用されていた場合には、金利15.00~20.00%だった場合の返済額を計算し、過払い金を計算します。
3.賃金業者に請求する
過払い金の計算ができれば、請求書を作成し、業者に過払い金返済を請求します。
〈専門家に依頼する方法〉
上記の流れを、専門家である弁護士または司法書士に依頼することも可能です。専門家に依頼することのメリットとしては、以下のようなものがあります。
・複雑な計算や手続きをすべて任せられる。
・返済中の場合、一時的に督促や返済を停止できる。
・賃金業者と交渉が上手くいかず裁判になった場合、裁判も任せられる。
4.過払い金請求の注意点
過払い金により高額なお金が戻ってくるケースはありますが、注意点もあります。
① 信用情報に傷がつく可能性がある
借金返済中に過払い金請求をして、借金が過払い金を上回った場合、信用情報に事故情報として登録される可能性があります。この場合、借金にはクレジットカードのショッピング枠も含まれるので、注意しましょう。
なお、借金完済後に過払い金請求をする場合には、信用情報に事故情報が記録されることはありません。
②過払い金を請求した賃金業者を利用できなくなる可能性
過払い金を請求すると、対象となった賃金業者のデータとしてその記録が残る可能性があります。その場合、その賃金業者を再度利用することはできない可能性が高いです。
③ 生活保護が受けられない可能性
生活保護受給中も過払い金請求は可能ですが、過払い金返還によって、受給停止や減額となる可能性もあります。だからといって、福祉事務所に届け出をしないで過払い金を受け取った場合には、生活保護の不正受給とみなされる可能性もあるので、返還された金額は必ず届け出ましょう。
以上の内容をふまえ、過払い金が発生している可能性がある方、過払い金を請求してもリスクがない方は、ぜひ過払い金請求を検討してみてはいかがでしょうか。